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Gはやけに興奮していた。
この日は列車を使って遠出するからである。
列車内の音だけでだいたいの車種を特定できる彼だが、外国の車両に乗ることは初めてのようだ。
昨夜の脳内マチ子(仮名)ちゃんとの情事の興奮も冷めやらぬうちにお盛んなものである。(憶測)
この日は列車を使って遠出するからである。
列車内の音だけでだいたいの車種を特定できる彼だが、外国の車両に乗ることは初めてのようだ。
昨夜の脳内マチ子(仮名)ちゃんとの情事の興奮も冷めやらぬうちにお盛んなものである。(憶測)
朝八時の駅の風景。
首都バンコクの駅なのだから、どれほど多くの人間でひしめき合っているのかと心配していたが、意外なことに極めて風通しがよく、日本の駅の人口密度の高さの方が不自然で異常だということがよくわかった。
駅の中は町の道路に比べると別世界のように清潔である。別に念入りに掃除がされているようでもないので、そもそも利用者がそんなに多くないのだろう。
今日の目的地は、バンコクの北約70kmにあるアユタヤである。ほんの240年ほど前まで栄えていた古都である。
列車はまだ発車しないが、見学を兼ねて早めにホームに向かった。
ホームでは大勢の労働者が列車の中に荷を積み込んでいる。個人で持つようなカバンではないので、恐らく工場などに運ぶ資材や部品類だと思う。
面白いのは、たまにツギハギの列車があることだ。各車両の色が違うとかそんな生やさしいものではなく、車両ごとに車種が違ったりする。
そんな状態でマトモに走行するのか甚だ疑問だが、電気ではなく先頭車両の動力で動くジーゼル車だから繋がってさえいれば問題ないのだろう。
また、日本語の書かれた車両も多く目に付いた。どうやら不要になった車両が払い下げられたようだ。
派手な原色で塗られた車両の間に、銀色むき出しで「回送」などと表示されている日本製の車両などを見ると、やまとなでしこ的奥ゆかしさを感じてしまう。(電車に感じるのもどうかと思うが)
列車は定刻どおりに発車した。
車内は4人座れるボックス席が基本で、ドアの横にだけ3人ほど座れるベンチ席がある。
さて、ここで我々の人数を確認しよう。
G、O野、O田原、千明、そして僕の5人である。つまり一人あぶれる。
ベンチに3人、ボックス席に2人というからめ手もあったのだが、結局、微妙に場の空気に乗り遅れた千明が一人で隣のボックス席に座ることになった。所詮この程度の人間関係である。
しかし彼は見事に背景に溶け込んだ。
左手前の男が千明なのだが、彼を知らなければまず現地人と見分けがつかないだろう。
違和感の無さに違和感を感じるとは思わなかった。
列車は畑の中をのんびりと走り、約2時間後にアユタヤ駅に到着した。
アユタヤ駅前は観光地なのだが、不思議なことにバンコクに比べると店も少なく、落ち着いた雰囲気である。車やバイクの通りも決して多くない。
しばらく通りを進むと、軒先に大量の自転車を並べた店が見えた。貸し自転車屋だ。一日乗り放題で使えて、しかも安い。
アユタヤは古都というだけあってかなり広い。予定には無かったのだが、我々は急遽自転車で移動することに決定した。
O野とO田原は貸し賃すらケチって二人で一台借りていた。
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