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泥沼のような底なしの眠りから目覚めた。
初日の疲れも寝不足も感じられない。体調はすこぶる快調。
カーテンを開け放つと、早朝だというのに、すでに車が行き交いクラクションが鳴り響いている。
空を見上げれば、昨日と同じぼやけた空。今日も暑そうだ。
初日の疲れも寝不足も感じられない。体調はすこぶる快調。
カーテンを開け放つと、早朝だというのに、すでに車が行き交いクラクションが鳴り響いている。
空を見上げれば、昨日と同じぼやけた空。今日も暑そうだ。
昨夜のうちに決めておいた出発時間まで、まだ大分時間がある。
しかし、完全に眼が覚めてしまったので、同じ部屋に眠っていたGとO野を連れて朝食に向かった。
食堂は昨日とまったく同じで、多種多様な人種がやかましく騒ぎ立てながら、朝のひと時を楽しんでいた。
僕たち3人も食堂の隅の方のテーブルに座る。僕はGに今日の予定を確認した。
今日はバンコク市内にあるカオサンという地域に向かうことになっている。
このカオサンには、安いゲストハウスや掘り出し物を扱う露店が所狭しと並んでおり、多くの観光客が詰め掛けているそうだ。
今日はブラブラと安い服や靴とかを探しながら、のんびりと一日を過ごすことに決定した。
昨日に比べると、ずいぶんと落ち着いたものである。
「あのー、スイマセン」
僕たち3人が食事を終え、まったりとコーヒーを飲んでいたら、突然見知らぬ女性に話しかけられた。
声の方を向くと、年のころは20歳前後、なかなかハッキリした顔の美人である。顔つきからするとタイ人ではない。むしろ日本人のように見える。
「えと…皆さんは観光の方ですか?」
「はぁ」
「今日はどのあたりに行かれるんですか?」
「………」
意図のまったく読めない会話に、僕たちは顔を見合わせてしまう。
(おいO野。なんだこの女は)
(詐欺師じゃねーか?なんか新手の詐欺なんだよ)
(うーむ、たしかに日本語も微妙にカタコトのような…)
(きっと桁違いのガイド料をとるか、美人局だ)
(だが、まだなんとも言えない。とりあえず話を進めよう)
「カオサンに…行くつもりですけど?」
O野と僕とで0.5秒のうちに脳内会議を済ませ返答する。
「えー!本当ですかー!?あたしも行こうと思ってたんですけど、よく分からなくて…よかったら一緒に行きませんか?」
(オイオイオイオイ!なんだよ、この強引すぎる展開は!?)
(『よく分からなくて』ってなんだよ!よく分からないのはこっちだよ!!)
(しまったー!コイツ絶対に詐欺師だー!!)
(お前責任取れ!責任とってお前だけ一緒に行け!)
(待て待て!よく考えてみれば、この女は俺たちが5人連れだと言うことを知らない)
(そうか!千明とO田原はまだ寝てたんだ!)
(いきなり人数が増えたら向こうもビビるんじゃないか?)
(よし、俺らが5人だってことは黙っておこう)
「別にいいですよ。30分後にロビーに集合でいいですか?」
「わ、ありがとうございます!それじゃまた後で!」
こう言って、この謎の女は食堂の外へ去っていった。
一息つくと嵐が通り過ぎた後のような充実した安息を感じた。自分でも気付かなかったが、かなり緊張していたようだ。
O野が口を開く。
「…まぁ、いざって時は見つからないようにホテルを出ればいいんだしな」
「そうだな。Gもこれでよかったんだろ?」
僕とO野は先ほどからずっと黙りっぱなしのGを見た。
視線の先には別人のように凛々しく光るGの顔。
僕たちは嵐の再来を確信した。
(人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった)
(まいったな…)
O野と共にしばし脳内を真山化(ハチクロ知らない人ゴメンナサイ。読め)。
すると、眠そうな目をこすりながら千明とO田原が食堂に来た。女が去ってから3分とたっていない。
「おーはよう!」
O田原の無駄に元気な挨拶も、遠い世界の出来事のようだ。
「…30分後にロビーで集合な…」
「ん、わかった。…みんな、どうしたの?」
「えーと、色々なことがありすぎて…」
「???」
誰だ、今日はのんびりと一日を過ごすとかいってた奴は?(俺です)
しかし、完全に眼が覚めてしまったので、同じ部屋に眠っていたGとO野を連れて朝食に向かった。
食堂は昨日とまったく同じで、多種多様な人種がやかましく騒ぎ立てながら、朝のひと時を楽しんでいた。
僕たち3人も食堂の隅の方のテーブルに座る。僕はGに今日の予定を確認した。
今日はバンコク市内にあるカオサンという地域に向かうことになっている。
このカオサンには、安いゲストハウスや掘り出し物を扱う露店が所狭しと並んでおり、多くの観光客が詰め掛けているそうだ。
今日はブラブラと安い服や靴とかを探しながら、のんびりと一日を過ごすことに決定した。
昨日に比べると、ずいぶんと落ち着いたものである。
「あのー、スイマセン」
僕たち3人が食事を終え、まったりとコーヒーを飲んでいたら、突然見知らぬ女性に話しかけられた。
声の方を向くと、年のころは20歳前後、なかなかハッキリした顔の美人である。顔つきからするとタイ人ではない。むしろ日本人のように見える。
「えと…皆さんは観光の方ですか?」
「はぁ」
「今日はどのあたりに行かれるんですか?」
「………」
意図のまったく読めない会話に、僕たちは顔を見合わせてしまう。
(おいO野。なんだこの女は)
(詐欺師じゃねーか?なんか新手の詐欺なんだよ)
(うーむ、たしかに日本語も微妙にカタコトのような…)
(きっと桁違いのガイド料をとるか、美人局だ)
(だが、まだなんとも言えない。とりあえず話を進めよう)
「カオサンに…行くつもりですけど?」
O野と僕とで0.5秒のうちに脳内会議を済ませ返答する。
「えー!本当ですかー!?あたしも行こうと思ってたんですけど、よく分からなくて…よかったら一緒に行きませんか?」
(オイオイオイオイ!なんだよ、この強引すぎる展開は!?)
(『よく分からなくて』ってなんだよ!よく分からないのはこっちだよ!!)
(しまったー!コイツ絶対に詐欺師だー!!)
(お前責任取れ!責任とってお前だけ一緒に行け!)
(待て待て!よく考えてみれば、この女は俺たちが5人連れだと言うことを知らない)
(そうか!千明とO田原はまだ寝てたんだ!)
(いきなり人数が増えたら向こうもビビるんじゃないか?)
(よし、俺らが5人だってことは黙っておこう)
「別にいいですよ。30分後にロビーに集合でいいですか?」
「わ、ありがとうございます!それじゃまた後で!」
こう言って、この謎の女は食堂の外へ去っていった。
一息つくと嵐が通り過ぎた後のような充実した安息を感じた。自分でも気付かなかったが、かなり緊張していたようだ。
O野が口を開く。
「…まぁ、いざって時は見つからないようにホテルを出ればいいんだしな」
「そうだな。Gもこれでよかったんだろ?」
僕とO野は先ほどからずっと黙りっぱなしのGを見た。
視線の先には別人のように凛々しく光るGの顔。
僕たちは嵐の再来を確信した。
(人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった)
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O野と共にしばし脳内を真山化(ハチクロ知らない人ゴメンナサイ。読め)。
すると、眠そうな目をこすりながら千明とO田原が食堂に来た。女が去ってから3分とたっていない。
「おーはよう!」
O田原の無駄に元気な挨拶も、遠い世界の出来事のようだ。
「…30分後にロビーで集合な…」
「ん、わかった。…みんな、どうしたの?」
「えーと、色々なことがありすぎて…」
「???」
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