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夢も見なかった。
と言うより見ている時間もなかった。
今にしてみれば、よくぞ目覚まし時計のアラームに気が付いたものだと思う。
と言うより見ている時間もなかった。
今にしてみれば、よくぞ目覚まし時計のアラームに気が付いたものだと思う。
部屋のカーテンを開け放ち宿の外を覗き込む。昨夜は疲労のあまり気にもしなかったが、かなりの殺伐ぶりである。
果てしなく無造作に切り取ったと分かる家並み。取って付けたような窓枠が哀愁を誘う。
しかも位置からしてこのホテルを作るために壊されたとしか思えない。それほど高級なホテルとは思えないのだが…。
ダニに噛まれた足をボリボリと掻きつつホテルの1階に向かう。Gの話によると朝食が用意されているらしい。
廊下を歩いていると、途中の部屋から「アゥ!アゥ!オ~ゥ!!」と元気でファッキンな声が響いてきた。やっぱり高級なホテルとは思えない。
レストランはバイキング形式になっており、早朝だというのにすでに多くの宿泊客が食事を始めていた。
料理はかなり豊富で、それぞれが強力かつオリエンタルな香りを漂わせながら湯気を放っている。
また、料理に舌鼓を打っている人間も実に種類豊富である。ターバンを巻いたヒゲのインド人や、「ハオ、ブー、ダオ!」とわめき散らしている中国人や、「ウィ、ムッシュゥ、ボンジュウル」と呟いているフランス人とかが、料理を奪い合っていた。
ちなみに味の方はなかなか旨い。特にお粥などの米料理は日本人である我々にとっては実にありがたい存在となった。
7時になったので人種のるつぼと化したレストランを出て、ツアーの集合場所に向かう。
しばらく待っていると「お待たせしました」と流暢な日本語を話すタイ人青年がやってきた。どうやら彼が今回のツアーのガイドのようである。
彼の名前は名前はコージ。ちゃんとした名前も持っているが、今田耕司に似ているという理由で日本人にはコージと呼ばれるそうだ。
本人は「織田祐二の方が似ている」と言っているが、残念ながらどこから見ても今田耕司である。
今田耕司が言うには、今回のツアーには我々のほかにも別のホテルから参加する団体がいるらしい。ということで、まずは彼らを迎えに行くためにそのホテルまでバスで行くことになった。
早朝にもかかわらずまとわりつくような熱気を放つバンコクの町をバスが走り抜ける。
窓の外を、映画『ブレードランナー』のようなエキゾチックかつパワフルな街の光景が流れ去っていく。改めて日本からずいぶんと遠くに来たことを自覚することになる。
町の中を10分ほど走り続けた後、大きなホテルの玄関にバスは止まった。どうやらここのホテルに宿泊している団体と共同で観光するらしい。続々と日本人旅行者がバスの中に乗り込んでくる。
しかし、どうにも様子がおかしい。
新しく入ってきた観光客、つまり現在停車中のホテルの客、彼らの服装が妙にお高級なのである。
そのことに気付いてこのホテルのロビーの中を見れば、やたらと金ピカの像があったり、よく分からない巨大な壺が設置してある。
間違いない。ここは高級ホテルだ。
バスの中は一瞬にして素敵なお召し物をまとった奥様方とボンボンのブルジョワワールドに変貌していた。
「それに比べて俺たちは…」
どうせ汚れるからとヨレヨレのTシャツとボロボロのジーンズに身を包み、宿泊先はノミとダニがあふれ、朝からファッキンボイスがこだまするような安ホテルでうずくまって眠る。
場所が場所だったら、このブルジョワたちに金を恵んでもらえそうな格好である。まさかタイで日本国内の格差社会に直面することになるとは夢にも思わなかった。
こうして、麗しき上流階級の紳士淑女の皆様方と、卑屈で下劣な下流階級の我々を飲み込んだカースト制度バスは走り出した。
目的地はワット・アルン、「暁の寺」と呼ばれる寺院である。
果てしなく無造作に切り取ったと分かる家並み。取って付けたような窓枠が哀愁を誘う。
しかも位置からしてこのホテルを作るために壊されたとしか思えない。それほど高級なホテルとは思えないのだが…。
ダニに噛まれた足をボリボリと掻きつつホテルの1階に向かう。Gの話によると朝食が用意されているらしい。
廊下を歩いていると、途中の部屋から「アゥ!アゥ!オ~ゥ!!」と元気でファッキンな声が響いてきた。やっぱり高級なホテルとは思えない。
レストランはバイキング形式になっており、早朝だというのにすでに多くの宿泊客が食事を始めていた。
料理はかなり豊富で、それぞれが強力かつオリエンタルな香りを漂わせながら湯気を放っている。
また、料理に舌鼓を打っている人間も実に種類豊富である。ターバンを巻いたヒゲのインド人や、「ハオ、ブー、ダオ!」とわめき散らしている中国人や、「ウィ、ムッシュゥ、ボンジュウル」と呟いているフランス人とかが、料理を奪い合っていた。
ちなみに味の方はなかなか旨い。特にお粥などの米料理は日本人である我々にとっては実にありがたい存在となった。
7時になったので人種のるつぼと化したレストランを出て、ツアーの集合場所に向かう。
しばらく待っていると「お待たせしました」と流暢な日本語を話すタイ人青年がやってきた。どうやら彼が今回のツアーのガイドのようである。
彼の名前は名前はコージ。ちゃんとした名前も持っているが、今田耕司に似ているという理由で日本人にはコージと呼ばれるそうだ。
本人は「織田祐二の方が似ている」と言っているが、残念ながらどこから見ても今田耕司である。
今田耕司が言うには、今回のツアーには我々のほかにも別のホテルから参加する団体がいるらしい。ということで、まずは彼らを迎えに行くためにそのホテルまでバスで行くことになった。
早朝にもかかわらずまとわりつくような熱気を放つバンコクの町をバスが走り抜ける。
窓の外を、映画『ブレードランナー』のようなエキゾチックかつパワフルな街の光景が流れ去っていく。改めて日本からずいぶんと遠くに来たことを自覚することになる。
町の中を10分ほど走り続けた後、大きなホテルの玄関にバスは止まった。どうやらここのホテルに宿泊している団体と共同で観光するらしい。続々と日本人旅行者がバスの中に乗り込んでくる。
しかし、どうにも様子がおかしい。
新しく入ってきた観光客、つまり現在停車中のホテルの客、彼らの服装が妙にお高級なのである。
そのことに気付いてこのホテルのロビーの中を見れば、やたらと金ピカの像があったり、よく分からない巨大な壺が設置してある。
間違いない。ここは高級ホテルだ。
バスの中は一瞬にして素敵なお召し物をまとった奥様方とボンボンのブルジョワワールドに変貌していた。
「それに比べて俺たちは…」
どうせ汚れるからとヨレヨレのTシャツとボロボロのジーンズに身を包み、宿泊先はノミとダニがあふれ、朝からファッキンボイスがこだまするような安ホテルでうずくまって眠る。
場所が場所だったら、このブルジョワたちに金を恵んでもらえそうな格好である。まさかタイで日本国内の格差社会に直面することになるとは夢にも思わなかった。
こうして、麗しき上流階級の紳士淑女の皆様方と、卑屈で下劣な下流階級の我々を飲み込んだカースト制度バスは走り出した。
目的地はワット・アルン、「暁の寺」と呼ばれる寺院である。
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