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激しい地震の中で目を覚ました。
部屋がきしみ、棚の中のCDケースがやかましく音を立てる。タンスの中で何かが倒れた音がした。
地震が収まった後も、体が揺れ続けている錯覚にしばらくの間襲われる。
枕もとの時計を見ると午前5時を指している。すっかり目が覚めてしまった僕はカーテンを開け放った。
空は一面の黒雲に覆われ、遠雷が聞こえる。
今日から地獄の2泊3日スキー合宿である。
部屋がきしみ、棚の中のCDケースがやかましく音を立てる。タンスの中で何かが倒れた音がした。
地震が収まった後も、体が揺れ続けている錯覚にしばらくの間襲われる。
枕もとの時計を見ると午前5時を指している。すっかり目が覚めてしまった僕はカーテンを開け放った。
空は一面の黒雲に覆われ、遠雷が聞こえる。
今日から地獄の2泊3日スキー合宿である。
一月下旬。いつもの激安居酒屋で殺伐とした会議を僕たちは行っていた。
「お前ら、冬だ。スキー行くぞ」
通常のGの3分の1(以下G)が議題を切り出す。
「寒い、断る」
「死ぬよ」
「肩が外れる…」
千明、O田原、煎餅が次々と反論とする。
確かにインド出身の千明にとって雪山は辛いだろうし、体脂肪率が2%くらいのO田原は死にかねないし、くしゃみひとつで右肩が外れる煎餅にとっては切実な問題だろう。
ぼくもまた、この阿呆たちが雪山に入ったら、確実に遭難することがわかっているから反対しておいた。
意見は完全に真っ二つである。
「ダセーよ。スノボーやろうぜ」
このメンバーの中では一番アウトドア派のO野が会議をさらに混乱させる。いつものことだがこの集団は本当にまとまりがない。
それぞれが言いたいことをギャーギャーわめいていると、愛想のない店員が何も言わず、ドンっとモツ煮込みをテーブルに置いた。いいタイミングである。
全員が食うのに夢中になったおかげで不毛な会話が止まる。バカゆえに混乱するのも早いが、収まるのも早い。餌をもらって大人しくなる獣と同じである。
汁一滴すら残さずカラになった器を脇にどけてGが口を開く。
「スキー旅行が一番安上がりなんだがなぁ…」
これが決め台詞となった。
「決定だ」
「よし行こう」
「すぐ行こう」
すぐさま強固に団結したバカたちは口々に賛成の意見を言う。みんな金は無いが遊びたいのだ。
こうして長野県野沢温泉スキー場に僕たち6人は向かうことになった。
それにしても毎度々々お粗末な会議である。
それでは大分遅れてしまったが、今回の旅のメンツを紹介しておこう。
通常のGの3分の1
今回の計画立案者にして隊長。
しかし本来の役目は我々の非常食。そのよく肥えた体は冬山の命綱となるであろう。
煎餅
隻腕(肩)のシスコン剣士。
今回彼が肩をはずすかどうかで賭けを行ったが、全員「はずす」に賭けたため不成立。
千明
カレーでインドな男。
もっとも冬山に似つかわしくない。ていうか雪を見たことがあるのか?
O田原
常に体脂肪率を一ケタ台に保ち続けるダイエット界のカリスマ。
さらに最近になって尿漏れが酷いとか、夜間頻尿だとか妙な噂がたち、「ガラスの膀胱」と呼ばれることに。事実かどうかは調査中。
O野
スノボーに関しては経験豊富な実力者。
しかしスキー経験は意外と少なく、実は遭難候補No.1。
伊藤
筆者。
イイねたに弱い僕は誘われるままホイホイと雪山について行っちゃったのだ★
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