そしてバカたちは南に向かった

　またまたバカたちが旅に出ることになった。行き先はタイである。王国だ。ゾウがいる。かなり暑い。他にも色々とあるのだろうがバカだからこの程度しかわからない。

　出発の前日、さすがに不安を感じて、個人的にタイという国を調べてみた。多くのタメになる情報が集まったので下に挙げる。

　・首都はバンコク。
　・通貨はバーツ。
　・犯罪の発生率は日本の１５倍。
　・最近は反政府のデモがバンコクで起こっているらしい。
　・南部ではイスラム勢力による仏教徒の惨殺が多発している。

　調べた限りでは、いつものようにウヘヘとバカ面を振りまくだけでは許してくれない国らしい。
　なんだかどうにも我々には荷が重い地のように感じたので、通常のGの３分の１（以下G）を拉致監禁拷問して、何故タイという国に向かうことに決まったのかを尋ねた。

「やすかったから」

　即座に５歳児でも理解できる簡単模範的解答が返ってくる。これでこそバカたちの企画というものだ。

　こうして不安はヒトカケラたりとも払拭されなかったが、もう成り行き任せである。２００６年２月６日。雪の降りしきる中、我々は成田空港からバンコクへ向けて飛び立った。


　それでは、毎度むさ苦しくて恐縮なのだがメンバーを紹介する。


　通常のGの３分の１
　スケジュール管理、金策、雑用、その他一切をこなす我らが隊長。
　最近やけに痩せてきた。本気で癌の検査を勧める。



　千明
　現地人、じゃなくてインド人。
　本人曰く、何世代か前のご先祖は東南アジアの海賊だったとか。やっぱり現地人か。



　O田原
　大半の肉を削ぎ落としたその体はたとえ下痢にかかろうと吐き出すものなど残っていない。
（カードゲーム風紹介文）



　O野
　なにげに海外進出経験が多い頼れるかもしれなくもないこともないオトコ。
　タイ人以上にあやしい英語を操る。



　伊藤
　筆者。
　地元の駅前にもタイ人が大勢います。「オニーサン、オッパイ、ヤスイヨ」くらいしか喋らないけど。



　煎餅
　今回は不参加。理由は語るまでもないが肩の手術のため。もはや彼の人生は予定調和となりつつある。