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八月十八日 水曜日
北海道旅行四日目
北海道旅行四日目
「キレイなクルマだと思わないか‥ ELGRANDはゾクゾクするほどキレイだよ」
「走るための機能と効率を徹底して追及したらこうなるっていう見本だぜ」
「例えて言うならボクサーの肉体のような機能美だ!!」
=エルグランド
この日は初っ端から頭文字がDな感じで壊れていた。
なぜなら今日から2日間、移動は全てレンタカー。
ちなみに免許所持者は、僕(6ヶ月目)とG(6日目)の2枚の若葉。
なんて濃厚な『死』の香り…。
遺書は書いた。懺悔も済ませた。母さん、僕が死んだら何も聞かずにHDを燃やしてください。
朝8時30分、日産レンタカーでエルグランドを借り受ける。
トップバッターは僕だ。ミニバンの慣れない大きな運転席に腰掛ける。
座席位置、ミラー位置の調整を済ませる。教習所以来のマニュアル神聖視理想的発進準備である。
静かにエルグランドのアクセルを踏んだ。
ばおん!!
一同「どわああああぁぁぁぁ!!」
爆音と共に何故かドンキーコングばりのロケットスタートを切るエルグランド。
『西部警察』のカーチェイスシーンのように僅かな段差を跳ね上がりつつ、あれよあれよと加速し札幌市内を爆走する。
でかいミニバンで、6人も乗ってるからとアクセルを強めに踏んだのだが、どういうわけだかエルグランドのエンジンはキックダウンを行ったと判断したようだ。
エンジンブレーキを利かせてスピードを安定させつつペダルの状態を確認する。
メチャクチャ軽い。
僕にとってアクセルとは「グッ」と踏むものだが、このクルマ、踏んだときの感覚はむしろ「ふに」。
自宅にある黄色いナンバープレートの車と同列に扱ってはいけないようだ。
そうこうしている内に前方の信号が赤に変わったのでブレーキを踏む。
ふに
きゅいいいぃぃ!!
一同「どわああああぁぁぁぁ!!」
しばらく
お待ちください。
待てぃ。
この人数+あのスピードで「ふに」ですか?
アクセルはともかくブレーキが軽いのはどうかと思うぞ。
しかも軽いくせにやたら利きがいい。全自動急ブレーキ機能とか付けているのか?
ちなみにこの日借りたエルグランドはXLタイプである。エルグランドをさらなる高性能車としてモデルチェンジさせたクルマだ。
外見を損なうことなく各性能を大幅に上昇させた、まさに公道の王者といった感じの風貌である。
でもね、性能に比例して『価格』も大幅に上昇している。
そして、こんな最高級車を若葉ちゃんに平気で貸す日産レンタカー。
壊すのを前提に貸したとか我々に邪推されるのも仕方が無いだろう。
少々取り乱したが、15分ほどの走行で慣れてきた。
Gのナビのもと、今日の目的地の美瑛に向かうために道央自動車道に乗る。
エルグランドのクソデカ重量を感じさせないスムーズな加速で走行車線に入る。
この安定した加速と高速走行はさすがである。高い目線の運転席と相まって運転のしやすさにかけては文句のつけようが無い。
だから、目に見える速さで減ってくガソリンメーターにも我慢できるか。
とはいえ、一度借りてしまった以上乗換えはきかない。
世界一の無責任大国が起こした言いがかり戦争で高騰したガソリン代を浮かすためには、急加速、急停止をなるべくしない安全運転を行うしかない。
ある意味、初心者である我々にとっては天の救いでもある。
美瑛への道のりを半分過ぎたあたりでPAに立ち寄る。ここで運転手交代である。
この時点でGは免許取得後6日目の萌え萌え若葉ちゃん。
カーナビなんかいらないから補助ブレーキを追加してくれませんか?>各自動車メーカー様
これからの道程を示唆するかのように、我々はこのPAで不気味な現象に遭遇する。
偽ころぽっくる
そうじゃなくて
………
いや、もう、何て言ったらいいのか…
正面から。
とりあえずコレは太古の邪神がまたがった妖獣の像であるという結論を出し、逃げるように先を急いだ。
Gの運転は時おり原因不明の横向きの重力を感じることがあったが概ね安定していた。
車があまり走っていない高速道ということもあるが、なかなかのペースで美瑛に向けて走る走る。
午後0時。何とか車両にも人体にも損傷を負わせることなく美瑛にたどり着いた。
とりあえず美瑛のいたるところに点在しているラベンダー園を周る。
北海道らしい雄大な風景。
澄んだ空気。広大な青空。
我々は久しぶりの癒しムードに浸っていた。
し か し 、
所詮我らはネタのために存在しその命を維持する存在。望まねどネタはやって来る。
ホラね。
『やぁ、ボクはトニー!テキサス生まれのナイスガイさッ!
特技はジャガイモの皮むき、好きなものはオジイチャンが焼いてくれるでっかいリブかな!』
『ハァイ、ワタシはキャシー!トニーとは家が隣で昔からの友達なの(勘違いしないで!タダの友達だからね)』
なんで花畑の片隅にこんなシュールなモノが置いてあるかな。
鳥対策よりむしろ対人間のガードロボとしか思えん。ラベンダーを引っこ抜くとクモみたいな動きで追ってきたり、腕が蛇腹構造になってて5mくらい伸びたりしないだろうか。
とりあえず花畑にそぐわないという理由だけでも廃棄するには十分すぎる動機だと思う。
午後2時30分、少々遅い昼食を食べた後、再びGと運転を変わる。
今日は芦別にある湖のそばのオートキャンプ場が寝床だ。一般道とはいえやたら広くクルマの数も少ない北海道。
法に触れるようなスピードで走り4時ちょうどに到着した。
ロッジはガス、電気、水道すべて完備でそこらの安ホテルよりはるかに居心地がいい。
周りも美しい湖と山に囲まれていてとってもマイナスイオン(「落ち着く」と同義)。
そこで我らが真っ先にとった行動が、ボンド(救いがたきバカの所以)。
のどかな風景の中にマシンガンの銃声と男たちの悲鳴がこだまする。
午後6時食事を摂りにキャンプ場を飛び出した我々は、午後7時30分、満腹の腹と共に花火を買って帰還した。
夏の風物詩と言えば「キャンプと花火」。
我々にとってはあまりにノーマルすぎて逆に得がたかったイベントだ。
そしてやはり得られなかった。
なんでライター無いのん?
所詮はこんなオチか。
皆が諦めかけていたその時、救世主が現れた。
颯爽と現れるO田原。手には先日のエクセルホテルのマッチ箱。
しかし問題はもだ解決していない。
花火の総数は優に50本を超える。
マッチの本数は1ダースほど。とてもじゃないが足りない。
我々は絶望的に密度の薄い脳をフル回転させた。
とりあえず千明が持ってきていたウォッカにトイレットペーパーを挿して火をつけてみる。即席アルコールランプである。
じゅっ
あっさり消えるマッチの炎。そう上手くはいかないか。
てか、なんで花火のためにこんなゲバルトな行動してますか?
次に花火が入っていた厚紙を筒状にして、中にトイレットペーパーを詰め火をつけてみる。即席たいまつである。
ぼおっ
おぉ!?
しかしすぐに種火状態に戻ってしまった。
火力が弱すぎる。
段々とサバイバル演習みたいな雰囲気になってきました。
ロッジの中のガスバーナーを使って火をつけてみた。
花火以前に持ち手が燃え尽きることが判明。
さらにヘタをすると木造ロッジを火種にした超特大花火が発生しそうなので断念した。
残された方法はあと一つ。
一本の花火に火をつけ、その火が消えないうちに他の花火に燃え移させる。
すなわち夢の永久花火コンボ。
とりあえずやってみる。
花火の炎というものは所詮は火花。火力が強いとは言いがたい。
なんとか燃え移るものの少しでもタイミングが遅れると炎は掻き消える。
花火を眺めて楽しめる時間と次の花火に火を移すギリギリのタイミングを見切らなければならない。
終始祭りとは思えない緊張感に満ち溢れていたが、それゆえに無駄に楽しい。
ただし欠点は10分で花火二袋が燃え尽きること。
初めて炎を手にしたサルのようなハイテンションで花火を終えた我々は、片づけを済ませ早く床についてしまった。
皆、相当に疲れていたようである。
久しぶりに『死』に猛烈接近したのだから当然といえば当然か。
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