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「サイレンってどんなゲーム?」と聞かれたので、絵を描いてみたが、あまりに恣意的というかカオス的なので、ちゃんと文章で書いてみる。
■どんなゲーム?
大雑把に言ってしまうと「ホラー要素が強い3Dアクションゲーム」。
ゾンビ(?)たちから逃げ回り、あるいは撃退しながら複数のステージを攻略していくことになる。
■ゲームの目的
ステージごとに目標が提示されるので、キャラクターを操り、その目標を達成していく。
目標の内容は「キャラクターをある地点に導く」「特定のアクションを行う」「何かを倒す」など。
ステージの目標は二つずつ設定されており、達成した目標に応じて次のステージに進める。つまり全てのステージをプレイするためには、一ステージあたり2回クリアする必要がある。
ただし二つ目の目標は、別ステージで特定のイベントを発生させなければ表示されない(達成もできない)。
レベルのような要素は無いため、最終目標は単純に全ステージをクリアしてエンディングに達すること。
■障害となるもの
ほとんどのステージには「屍人(しびと)」と呼ばれる敵キャラクターが配置されている。彼らに襲われてプレイヤーキャラのHPが0になるとゲームオーバーとなり、ステージ目標も未達成となる。
しかし、プレイヤーキャラには「視界ジャック」という、他人の視界を覗き見る能力があるので、それを駆使して屍人の位置や動きを推測しながら進んでいくことができる。
また、武器を所持している場合は屍人を攻撃することができる(武器はイベントとして入手するのみ)。
ただし、撃退しても一定時間動きを封じるだけで、完全に消滅するわけではない。2対1での戦闘はかなり分が悪いというゲームバランスもあって、視界ジャックを利用した「かくれんぼ」が基本的な攻略法。
というか視界ジャックしながらガクガクブルブルすることが、このゲームの本質の一つなので、あまり頼れる武器は登場しない(「火かき棒」の強さは尋常ではないが)。
二つ目のステージ目標を発生させるためのイベント探しも大きな障害。むしろ最大の障害。
一見すると何のために行っているのか理解できないイベントばかりだから、発生ポイントの予測は困難。結果的にマップ内を隅から隅まで探索することに。
もちろんそれは屍人との接触機会を増やす行為でもあるのだが、そのジレンマもまた恐怖の一環ということか。
■プレイヤーキャラクター
本作は、複数の人物の視点から一つの事件を見つめるというオムニバス形式になっているので、プレイヤーキャラは複数存在する。
操作する人物には若い男性だけでなく、非力な女性や老人やヅラや幼女も。当然、身体能力には大きな差があるということで、ゲーム中でもキャラクターごとの性能は大きく異なる(お爺さんが走るとすぐに息が上がったり)。
■ゲーム内の情報について
ゲーム内、説明書を問わず、プレイヤーに与えられる攻略のための情報はかなり少ない。
キャラクターの生命力や走れる時間などは表示されない。追い回されたときの緊迫感を高めるためだろうか。
また、オムニバスという形式のため、ストーリーは時間も場所もバラバラに進行する。そのため事件の真相を知るためには、プレイヤー自身が各人物の体験した断片的な情報から本筋のストーリーを推理する必要がある。
また、公式サイトで公開されているショートストーリーも本編を理解するための大きなヒント。
プレイヤー自身に思考をさせる割合が多いことが、このゲームの特徴と言えるかもしれない。
■世界観
物語の舞台には、純和風の田舎の村が使用されている。
棚田や木造家屋が印象的で、ゾンビとして襲ってくる村人たちも、手ぬぐいを巻いた畑のオジサンオバサンたちだ。
実写をベースにした顔テクスチャを使用した登場人物たちも、現実感をアップさせる要因になっている。
全体として、大半の日本人であれば誰もが見慣れている、見たことがある農村の風景が見事に再現できていると思う。
その日常の光景がグロテスクに変容し、自分自身が異世界に飛び込んだような雰囲気が、SIRENのホラー要素の重要なポイントだろう。
■まとめ
エンディングまで辿り着くには、難解な謎解きや難度の高いアクションが待っている。そのため、どうしても腰を据えたプレイが要求されるので、単純にホラー感覚を楽しむというわけにはいかないかも。
ただし謎解きに関してはパズル的な感覚なので、攻略本や攻略サイトを参考にすれば割と簡単にクリアできると思う。
しかし、本作の本質は、
「雰囲気に怯えながら、敵をやり過ごし、ストーリーの真相を追求すること」
なので推奨はしない。どうしても詰まった時だけに。
てなわけで、『サイレン』は
理不尽さに耐えられるホラー好きなマゾゲーマー
にお勧めのゲーム。
いるかな、そんな奴?
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