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久しぶりに古くて面白いゲームを見つけたから紹介。
PS用ソフトでタイトルは「リモートコントロールダンディ」。発売元は今は亡きヒューマン。少女がハサミを持ったオジサンに追っかけられる「クロックタワー」シリーズで有名な会社ですね。
内容を大雑把に説明すると、巨大ロボットとそれを操っている少年を操作して敵の巨大ロボを破壊するゲーム。
ここでミソなのは、ロボだけでなく少年も動かすということ。というのも本作は3Dアクションなのだが、常に少年からの視点なので、ロボがビルの向こう側などに行ってしまうと当然だが見えなくなる。だから少年をビルの上など、見晴らしの良いところに誘導しなければならない。また少年の持っているリモコンでロボは動くのだが、このリモコンの電波範囲が300mとなんとも微妙な距離。ロボの移動にあわせて少年も追いかける必要がある(もちろん近すぎてもいけない。足元で操作したら当然踏まれてアッー!)。
ロボの操作性もかなり独特で、L1L2で左足を前後移動、R1R2で右足を前後移動、前に進みたければL1R1を交互にタイミングよく押していくってな感じで、ゲームの操作というより人型ラジコンの操縦という雰囲気。上に書いたような視点の不便さに加えて、コツを掴みづらい操作法も合わさり、ゲームに慣れていない人にはかなり敷居が高いと思う。
このゲームの難易度を高めている要素としては、もうひとつ金銭的な面がある(もちろんゲーム内の)。主人公である少年とロボはある街の警備隊に所属しているのだが、この警備隊は私企業であるため、街を防衛するごとに報酬を受け取っている。その報酬額は膨大なのだが(800億円とか)、ロボが壊してしまった建物や踏んでしまった車などもやはり弁償しなくてはならない。他にも敵のロボが破壊したぶんも請求書が回ってくる。こっちとしては壊した当人に請求して欲しいのだが、なにぶん正体不明の謎のロボだし、そもそも破壊されてしまっているのだからそれもできない。なんだかんだで手取りの報酬は半額以下になっていたりする。
さらに最悪の局面として赤字がある。弁償費用が報酬を上回ってしまった場合だ。赤字が続けば企業は倒産する。こうなればゲームオーバーだ。たとえステージをクリアしても破産すればそこで終わりなのである。
なんだが大変にとっつきづらいソフトのように紹介してしまったが、事実その通りである。単に「ロボットものが好き」という程度の覚悟ではクリアさせてくれないだろう。では何故このような一見するとKUSOなゲームを紹介しているかというと、それには理由がある。この作品には哲学(と言えなくも無いもの)があるのだ。
ゲームの開始直後、私は当然のように全ての建物を守りながら闘った。敵ロボットの出現ポイントの周囲は仕方ないとしても、もし自分が不注意でビルを壊してしまったら、少年をロボの足元に連れて行き死んで詫びた(リスタートしたと同義)。そのため1ステージあたり5回くらいはやり直しながら進んでいったのである。
ストーリーの序盤に、主人公の通っている学校が敵のロボに襲われるステージがある。このステージでは学校が破壊されるとゲームオーバーになるので、素早く現地にかけつけて敵ロボットを破壊しなければならない。しかしスタート地点と学校までの間には民家が2,3軒建っている。
私はこの民家を潰さないように迂回する方法を何回も試した。だが、そのたびに学校は破壊され担任と児童たちは死んだ。ロボットの移動速度が決定的に遅いのだ。10回ほど繰り返しただろうか。もはやゲームシステムに対する怒りも消え、どこか疲れ果てた諦めの先の冷酷でいて短絡的な冷静さのみが残っていた。全てのものを守るのは不可能で、より多くの大切なものを守るためには、より少ない無価値なものは捨てなくてはならない。それが正義であり、この少年は正義の味方だ。そう考え民家を踏み潰した。学校は簡単に守れた。
このステージをクリアしてからは信じられないほどに順調に進めた。どこが戦場になろうとも、足元は気にせずまっすぐに敵ロボットのもとに急行し、即座に殴り倒す。弁償の請求額も減っていった。明らかにより多数のものを守れているはずだった。しかし、本当に大切なものは失っていた気がする。
もしもこのゲームバランスが意図的に作られたものだとしたら、開発者の中には鬼がいる(褒め言葉)。このゲームは断じてロボットを操り世界を守るヒーローものではない。これは強すぎる力に振り回される心の葛藤を描いたゲームだ(確信犯的なステージも2つ3つある)。たかがゲームでここまで正義について悩んだのは「タクティクスオウガ」以来である。僕にこの手を汚せというのか。
この残酷なゲームバランスこそが、最初に本作を「面白い」と表現した理由である。まあつまりあまりバランスもテンポも良くなくて、理不尽な点が多いが、コテコテでお約束なシーンもあるので、熱いゲーマー魂とロボットへの限りない愛をもつ全ての人にプレイして欲しい作品である。
PS用ソフトでタイトルは「リモートコントロールダンディ」。発売元は今は亡きヒューマン。少女がハサミを持ったオジサンに追っかけられる「クロックタワー」シリーズで有名な会社ですね。
内容を大雑把に説明すると、巨大ロボットとそれを操っている少年を操作して敵の巨大ロボを破壊するゲーム。
ここでミソなのは、ロボだけでなく少年も動かすということ。というのも本作は3Dアクションなのだが、常に少年からの視点なので、ロボがビルの向こう側などに行ってしまうと当然だが見えなくなる。だから少年をビルの上など、見晴らしの良いところに誘導しなければならない。また少年の持っているリモコンでロボは動くのだが、このリモコンの電波範囲が300mとなんとも微妙な距離。ロボの移動にあわせて少年も追いかける必要がある(もちろん近すぎてもいけない。足元で操作したら当然踏まれてアッー!)。
ロボの操作性もかなり独特で、L1L2で左足を前後移動、R1R2で右足を前後移動、前に進みたければL1R1を交互にタイミングよく押していくってな感じで、ゲームの操作というより人型ラジコンの操縦という雰囲気。上に書いたような視点の不便さに加えて、コツを掴みづらい操作法も合わさり、ゲームに慣れていない人にはかなり敷居が高いと思う。
このゲームの難易度を高めている要素としては、もうひとつ金銭的な面がある(もちろんゲーム内の)。主人公である少年とロボはある街の警備隊に所属しているのだが、この警備隊は私企業であるため、街を防衛するごとに報酬を受け取っている。その報酬額は膨大なのだが(800億円とか)、ロボが壊してしまった建物や踏んでしまった車などもやはり弁償しなくてはならない。他にも敵のロボが破壊したぶんも請求書が回ってくる。こっちとしては壊した当人に請求して欲しいのだが、なにぶん正体不明の謎のロボだし、そもそも破壊されてしまっているのだからそれもできない。なんだかんだで手取りの報酬は半額以下になっていたりする。
さらに最悪の局面として赤字がある。弁償費用が報酬を上回ってしまった場合だ。赤字が続けば企業は倒産する。こうなればゲームオーバーだ。たとえステージをクリアしても破産すればそこで終わりなのである。
なんだが大変にとっつきづらいソフトのように紹介してしまったが、事実その通りである。単に「ロボットものが好き」という程度の覚悟ではクリアさせてくれないだろう。では何故このような一見するとKUSOなゲームを紹介しているかというと、それには理由がある。この作品には哲学(と言えなくも無いもの)があるのだ。
ゲームの開始直後、私は当然のように全ての建物を守りながら闘った。敵ロボットの出現ポイントの周囲は仕方ないとしても、もし自分が不注意でビルを壊してしまったら、少年をロボの足元に連れて行き死んで詫びた(リスタートしたと同義)。そのため1ステージあたり5回くらいはやり直しながら進んでいったのである。
ストーリーの序盤に、主人公の通っている学校が敵のロボに襲われるステージがある。このステージでは学校が破壊されるとゲームオーバーになるので、素早く現地にかけつけて敵ロボットを破壊しなければならない。しかしスタート地点と学校までの間には民家が2,3軒建っている。
私はこの民家を潰さないように迂回する方法を何回も試した。だが、そのたびに学校は破壊され担任と児童たちは死んだ。ロボットの移動速度が決定的に遅いのだ。10回ほど繰り返しただろうか。もはやゲームシステムに対する怒りも消え、どこか疲れ果てた諦めの先の冷酷でいて短絡的な冷静さのみが残っていた。全てのものを守るのは不可能で、より多くの大切なものを守るためには、より少ない無価値なものは捨てなくてはならない。それが正義であり、この少年は正義の味方だ。そう考え民家を踏み潰した。学校は簡単に守れた。
このステージをクリアしてからは信じられないほどに順調に進めた。どこが戦場になろうとも、足元は気にせずまっすぐに敵ロボットのもとに急行し、即座に殴り倒す。弁償の請求額も減っていった。明らかにより多数のものを守れているはずだった。しかし、本当に大切なものは失っていた気がする。
もしもこのゲームバランスが意図的に作られたものだとしたら、開発者の中には鬼がいる(褒め言葉)。このゲームは断じてロボットを操り世界を守るヒーローものではない。これは強すぎる力に振り回される心の葛藤を描いたゲームだ(確信犯的なステージも2つ3つある)。たかがゲームでここまで正義について悩んだのは「タクティクスオウガ」以来である。僕にこの手を汚せというのか。
この残酷なゲームバランスこそが、最初に本作を「面白い」と表現した理由である。まあつまりあまりバランスもテンポも良くなくて、理不尽な点が多いが、コテコテでお約束なシーンもあるので、熱いゲーマー魂とロボットへの限りない愛をもつ全ての人にプレイして欲しい作品である。
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